「ほのぼの見守りエピソード」 (2013年度)

「ほっと暖まるお話」

 私のアパートは、男子学生専用アパートです。経営の目的は、もちろんお金儲けです。
ところが、入居者の皆様は私の子供、いや孫のように可愛く、ついつい経営方針はよく崩れてきてしまいます。だから薄利ということ。まあ、いいかっ、今日も元気だし、楽しく暮らしているのだから・・・。
 昨年の春、当方の入居者の学生さんはニューヨークへ研修に行くことになりました。ご両親は用事があったついでに、当方へ挨拶に来てくださいました(県外から)。出国前に本人にお土産はいらないから、少しのお金だけれど遊んでいらっしゃいとことわって、おこずかいを渡しました。
 帰国して、本人が、大事そうにお土産を持って玄関の呼び鈴を押して待っています。自由の女神のお人形さんと、ニューヨークの建物の絵葉書です。私は、飛び上がる位うれしいです。御礼を言って、早速、絵葉書を拡大コピーします。そして、アパート玄関の皆さんがよく通る場所の棚に飾ります。雄大なニューヨークの景色に自由の女神様!!とっても素敵なインテリアになりました。心暖まる話でしょう?この子は、旅行に行くといつも小さなお土産を買ってきてくださいます。心がほんわかと暖まります。
 こんな幸せな大家さんあまりいないでしょう。
 私の息子もマンション暮らしです。全然サービスなんてないし、だいたい大家さんの顔も知らないし・・・。「今年から、ゴミの捨てる日が変更になるから、自分で役所に問い合わせるように」という貼り紙をみて、なんと不親切なと、腹が立ちました。私は、お正月付近は特別にゴミ出しの日程が変わるので、きちんと皆に分かるように、自分で、手書きで貼り出します。まあ、学生アパートなので仕方がないのかな?・・・。家賃はうちの倍近く・・・。この落差がショックです。

(Mさん)

「まるで、父親・・・」

 もっとも世話の焼ける入居者のお話。
 学校を卒業し、就職して、入居され、2年目の単身男性。
 まず、月末に、きちんと家賃を持ってこない。「遅くとも、毎月4日までにはもっていらっしゃい」と言ったら、そのとおり持ってくるようにはなりました。といっても、家賃(現金)を、大家の自宅ポストにポン!と投函していくので、危ない・・。2、3回連続で投函したので、「これは、ダメだよ」としっかり言い聞かせたら、直りました。
 その他にも、ゴミの整理もきちんとできないので、指導しました。
 あるとき、就職して間もないのに、大きな車を買ってしまったのです。日曜日にしか乗らないのにもったいないな、お金は大丈夫かな、と気にしていたら、案の定、家賃が遅れ始めました。そのうち、車を手放したようで、ほっとしました。
 ほかにも、ゴミの整理ができずに、近所の人に迷惑をかけたり・・。
 心配の種はつきませんが、これからも、父親のような気持ちで、見守っていきます。

(Kさん)

「集金のつど、見守り」

 私のアパートでは、昔から、ずっと家賃を集金しています。
 時代がかわって、半分くらいの人は、振込ですが、あと半分は、あいかわらず集金です。
 「毎月の集金は、大変じゃないの?」と聞かれます。毎月2日、雨でも、風でも行きます。アパートは、自宅から少し離れたところにありますが、苦になりません。
 集金に行くのは、とてもいいことです。集金のとき、「元気?」とか、「どお?」とか、声をかけています。
 不在の場合は、ポストに手紙を入れています。そうすると、後で、家賃を持ってきてくれます。
 こんな感じでやっていて、滞納はありません。

(Mさん)

「同情してしまった」

 1年くらい家賃を滞納していた人がいました。
 病気だったようで、つい、同情してしまいました。最後は、結局夜逃げのようになってしまいました。
 その後、管理会社にまかせるようになり、そのような心配をすることもなくなりました。
(Yさん)